11月8日 曇りのち晴れ

朝、散歩して制作。昨日からの心のもやもやがなかなか晴れない。
9時から息子が学校のマラソン大会の予定だったのだけれど、グラウンド状態が悪いそうで延期。
制作に入る。角鉢の彫模様と刳物の皿色々を進める。
お昼にしようと外に出るとちょうどお向かいの KIRISAWA:BASEさんにトレーラーハウスを設置するところだった。運転手さんの超絶テクニックで上手く納まった。このトレーラーハウスは新しく宿泊施設にするそうです。

午後3時前まで制作して、ささっと準備して里山十帖へ出発。「MAZ Tokyo」×「里山十帖」のコラボレーションディナーと宿泊のため。4月に桑木野シェフがご連絡くださり、このイベントのために取材協力と何かを一緒に制作できないかというお話をいただいた。7月にSantiagoシェフや双方のスタッフの方々がお越しくださり、近所で昨年末に伐り倒された柿の木を一緒に切り分け拾ってきて皿に加工し始めた。

このブログにも書いたかもしれないけれど、昨年12月についにうちの集落にも熊が現れた。その時に、実際に熊が来た柿の木を含め、集落内の山に近いところにある柿を何本も伐採した。雪が消えてからそれらは全部ほぼ全て我が家に持ってきて、順番に作品に姿を変えていっている。ただし神社の奥で伐り倒された1本はそのままになっていることを僕は知っていたので、総代にもらって良いか確認して、このイベントのために使われることになった。

僕自身は野生動物と人間というのはずっと単純な陣取り合戦をしていると思っていて、人が山に入らなくなれば動物が陣地を広げてくるし、逆に人が山に入れば人の領域が広がっていくのだと思っている。よく「どんぐりが不作で」などというけれどあまり信用していない。我が家が引っ越してきて来年3月で10年になるけれど、ここ数年(コロナ禍後)小国町内のいろいろな箇所で人と山の距離感が少しずつ遠くなってきていることを実感している。僕は柿の木を伐り倒すのではなくて、山に植えるくらいの方がいいのではないかと考えているのだけれど、過疎化が進んでいくのが確実な中で、何が本当に効果があるのかは熊たちとよく相談してみないと分からない。今年は猪も本当に家の近所までやってきている。今回、皿としてかたちを変化させた柿の木は人と野生動物との関係を考えるきっかけになるはずだ。

16:00過ぎに里山十帖に到着。スタッフの方が外で迎えてくれる。ウェルカムドリンクとお菓子をいただきチェックイン。館内をご案内いただき客室に。入った瞬間とんでもない景色。。とりあえずくつろいで、大浴場の露天風呂から大好きな巻機山の絶景を眺める。久しぶりにゆっくりと19:00のイベント開始を待つ。

イベントのことは後日全ての日程が終了してから書きますが、素晴らしかったです。料理にしっかり骨太の背景があり、その背景を高度に表現する感覚と技術に感動しました。柿の皿も喜んでいました。

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