桃居 での個展までもう少しです。まだまだ頑張ります。
以下、今回の個展に向けて書いた文章です(桃居のウェブサイトに記載のもの)。

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冬の雪かきからようやく解放されたと思ったら、すぐに草刈りシーズンの到来です。梅雨入りした今の季節、一度綺麗に刈ってもあっという間に元通り。毎度のことながら草の生命力に驚きます。それにしても我が家の庭だけでも凄まじい数の複雑に見える生物・無生物(もちろん我々人間も含む)が、とても限られた種類の元素で構成されていて(各々の個体は単純な規則を膨大な数繰り返すことで複雑さを手に入れています)、それらが全てこの庭という空間で複雑に共存しているというのは信じがたいことで、ただただ感動してしまいます。


先日、今回もDM写真の撮影をお願いし、僕の作品に合わせて展示する走査型トンネル顕微鏡写真を提供してくれた山田さんが訪ねて来てくれたので、そんな話をしていました。水族館へ行ったばかりだった山田さんはとにかくイワシの大群が面白かったと言っていたのですが、群れの動きも単純な規則で再現可能なようです。論点は群れの動きから「時間」に移り、うちの庭でもそれぞれの個体が時々刻々と過ぎていくある時間における環境に最適化しようとして、ごく近くのものと相互作用しながら生きているよね、などという話をしていたのですが、「時間」という概念を制作段階において意図的に取り込めたら、と思うようになりました。


ということで、今回はここ数年取り組んでいる彫模様(単純な規則を繰り返すことで複雑になる)に「時間」を組み込んだ作品もご覧いただけます。どうぞお楽しみください。 
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桃居での個展は7月5日から。どうぞお出かけください。