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別冊Discover Japan と 新潟の住宅誌 住まいnet新潟 に掲載いただいております。

住まいnet新潟 では、「ものをつくるひと」というところでも取り上げていただいております。我が家はなんとも素っ気ない家で建築的には見る部分もそれほどないと思います。ただ、こういった建築的に作りこんでいないけれど細部にこだわっていたり、完成していないけれどとりあえず普通に暮らせる(住み始めてから3ヶ月はトイレの戸もなかったけれど。。しかもまだ2階にはない)家というのはあまりないので面白いかなと思います。家も工房もまだ整えなければいけないところがたくさんあるので見た目はいまいちな部分が多いですが、出来上がるにつれてとても良くなっていく予定です。こんなやり方をさせてくれた平澤建築事務所の平澤社長には感謝です。現在冬を控えて大きな物置を作っていただいているところで、一緒に外溝工事も進んでいます。こういうのも普通は家が出来た時点で終わっているのですが、住み始めないと分からない部分も多いのでのんびりやってもらっています。

別冊Discover Japan では うつわ作家 50人の定番案内 というところにご紹介いただいています。こういった雑誌に自分がつくったものを掲載していただくのはとてもありがたいことですが、この業界で仕事をさせていただくようになって思ったことを一点。よく「誰々が日本を代表するような作家」みたいな話でいわゆる生活工芸といわれているジャンルで活躍している人たちの名前が出てきます。でもそれは狭くともとても広く深い工芸世界の一分野であって、マスメディアによって次々に宣伝されることで出来上がる世論のようなものが、そう思わせているだけです。工芸の世界ではいろいろな種類のお仕事をされている方がいらっしゃり、それぞれ違った顧客層をもっています。マスメディアはそのいろいろな分野から一部を切り出し集中的に紹介します。だからそう簡単に「誰々が日本を代表する作家」などということはいえないのです。私の仕事もすぐに雑誌などに載ることになり、その恩恵を受けて生活していますが、それでものの良し悪しが決まるわけでもないので、広い視野をもって自分の仕事を見つめることの大切さを日々噛締め、自分の信じる方向へ邁進するしかありません。

私が工芸に関心をもって木工の世界に飛び込んだときには、現在やっている仕事よりももっと技術的に高度で工芸的価値が高いものに関心を持っていました。今の仕事の中心はより生活者的視点からのものづくりですが、常により高く深く、かつ自分の生活でも使いたいものを、時にはより手の込んだものをと思い、日々いろいろな角度から制作しています。一人ひとりの制作者が思う方角へ仕事を掘り進み、より多様なものづくりが展開、紹介されるといいですね。