最近、以前にもまして古いものに触れる機会が多くなった。ここでいう古いものというのは価値が定まった骨董ではなく、いわゆるガラクタとして扱われる民具である。これらの道具を見て、身の周りに置いて、使ってみる。

この力の抜けた感じが与えてくれる心地よさ。きっと作られた時よりもずっと輝きが増しているのだろう。思わず微笑んでしまうような、技術的には稚拙だけれど魅力的なものたち。とても魅力的だけれど、決して「自分のもの」にはなりえないものたち。

手に取った時に自然と微笑みを誘うもの。使い込んで「自分のもの」としてクタクタになったときにより惹きつけられるもの。そういったことを指針に、ものづくり、してます。