higurashi.JPG北欧の椅子は日本の家に合うといいます。僕も実際に使ってみると確かにそう思いますし、居心地もよい。でもほとんどのものがオーバーサイズですし、「日本の家に合う」とは言っても、それは決してベストの組み合わせではないと思います。なんとか北欧の椅子の美しさをもらいつつ、もっと自分たちの暮らしに合った椅子を作れないものかとずっと考えていました。

2月から住んでいる信楽の家には狭いけれど縁側があります。古い家はうちのような農家でも暖かな季節はとても気持ちよく暮らせるように出来ているようです。「そうだ、縁側のような椅子を作ろう。」縁側に腰を掛けてお茶をすすっている妻を想像し、「こんな暮らしがこれから何度も何度も続きますように」と思いながら、寒風吹きすさぶ中、玄関先で鉋を研ぎ作ったイージーチェアです。

日々、一日一日をしっかり暮らしたいという思いから、higurashiと名付けました。5月11日まで名古屋の国際デザインセンターで開催されている「暮らしの中の木の椅子展」でお座りいただけます。その後、東京、札幌、長野と巡回予定です。