相変わらず箱を作っています。明日には完成しそうです。
それにしても時間がかかります。

 さて、個と集団の話。極小世界の話はずっと後にしようと思っていたのですが、先日『Quantum Kate』という動画をご紹介したので、ついでに原子の話。もっとも単純な原子は皆さんご存知の通り水素原子で、陽子1個で構成される原子核の周りに電子が存在するという構造をしています。原子は英語でatomですが、atomの語源はギリシャ語のatomos。atomosとは分割できないという意味ですが、上記の通り、実はatomは分割可能でした。現在の理論では物質を構成する最小単位は素粒子と呼ばれていて、17種類あるとされています。電子は素粒子の一つですが、陽子は実は分割可能で、フェルミ粒子(というように分類される)クォーク(強い相互作用をする粒子)であるアップクォーク2個(+2/3の電荷を持つ)とダウンクォーク1個(-1/3の電荷を持つ)という3つの素粒子で構成されています。陽子1個は+2/3×2-1/3=+1の電荷を持つことになります。フェルミ粒子と言われるものは僕らが普通に考える「物質としての粒子」と思えば良いようにも思いますが、ややこしいことにこれらに大きさがあるのかどうかは分かっておらず、標準理論と呼ばれているものでは大きさはないとされ、超弦理論と呼ばれているものでは大きさはあるとされています(更に今ではM理論というものもあったりしますが、とにかく細かい部分はまだよく分からない)。また素粒子の中にはボーズ粒子と言われる素粒子間の相互作用を伝え運ぶ粒子というものもあり、陽子の中の3つのフェルミ粒子には、ボーズ粒子の1種であるグルーオンという素粒子を介して強い相互作用が働き、通常は安定しているということになります。それだけではなくて、それぞれの素粒子に質量を与えるボーズ粒子というものも存在していてそれをヒッグス粒子と呼びます。「粒子」とはいうものの、僕たちが普段使っている「粒子」という言葉が持つイメージとはかけ離れていることはよく分かると思います。

本当にこんなものからこの宇宙が出来上がっているのか?と思ってしまいますが、どうやらそういうことのようだというのが現在の理解なのでしょう。もしかしたら大昔の人類や今生きている他の生き物は、こういったことを当たり前のこととして知っていた(る)もしくは受け入れていた(る)のかもしれませんね。とにかくこういったような訳のわからない小さいものが集まると同じくらい訳の分からない僕らを含めた全てが構成されるということで、どちらにせよ僕のような凡人には全て訳が分からないということになり、とても面白く感じられます。

下の動画はCERN(欧州原子核研究機構)のもので、人の髪の毛から陽子の中までの旅です。