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秋には間に合いませんでしたが、山シリーズ Takashi TOMII for TREKKING。まずは発端の酒呑の木地を制作。底面にT印です。漆仕上げになりますが、どんなになるか、お楽しみに。

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こちらは生木の挽物。下の2つは昨日挽いたもの、上はさっき挽いたもの。もうかなり歪んでいるのが分かります。10年近く前には生木の挽物を作ったりしていたのですが、最近全然作ってきませんでした。なにやら違和感を感じるようになってしまい、その理由がいまいち分からなくて気持ち悪かったからです。この頃は生木を使うときには素材との対話時間が長い刳物ばかりだったのですが、これだと工房にどんどん増える木を使いきれない。薪にするのは最後のあくまでも最後の手段です。そこで仕事が早い挽物を久しぶりにやってみました。

結果、何に引っかかっていたのかはっきりと気づきました。「乾燥していくときの自然な歪み」として捉えられているもの(僕も違和感を感じる前はそう思っていた)は、木が「そうじゃない!そういう形じゃないんだよ!」と訴えている結果だと。自然から人が勝手に切り取った形に対する反論なんだと感じたのです(もちろん個人的な受け取り方ですが、安易に「自然な歪み」のような表現は好きではない。)。だとしたら、僕が生木の挽物を作る意味はあるのかなと考えたときに(ものにしないと木が無駄になってしまう)、人の(自分の)自然に対する傲慢な態度を戒める機能を持つものとしてならありだなと思っています。形はごくごく単純に。生木の刳物と並行して、まとめて作ってみようと思います。