少しですが BRUTUS の11月1日号に掲載していただきました。木の椅子と木工という特集の中の新世代の日本の木工家たち。というページです。BRUTUS色の強い選定だなという気がしますが(笑)ぜひご覧ください。桃居での個展中に掲載作品を選んでいただき、バスケットシリーズを取り上げていただきました。このシリーズの原型になったのは、5年ほど前に作った栗の深い灰糠盆で、その後2年ほど前からパンを入れるためにブレッドバスケットが出来上がり(ここからオイルで仕上げるように)、その後いろいろと種類が増えて現在に至っています。今年の うつわ京都やまほん での個展では楢材でも作ったのですが、たまたま3つ余分に木取った材料から、「重箱も作ってみよう」ということで楢の重箱が出来上がりました。ブレッドバスケットを作るようになってから深さのあるものが増えてきたようです。

この号、木の椅子がメインの特集ですが、木の椅子というとやはりミッドセンチュリーの北欧の椅子が主になり、登場人物や椅子も限られてきます。それだけその時代の北欧の椅子というのは多くの国での生活の中における普遍性を持ったものなのだと思います。ものの根底にあるそういった普遍性を探していくことが自分の仕事なのだと現時点では思っています。

ところで僕の椅子歴はそう長くなく、オークヴィレッジに入社してからです。学生の頃に一度ウェグナーの CH24 (いわゆるYチェア)を買おうと思ったのですが踏みとどまってしまい、結局今でもYチェアは持っていません。初めに生活で使ったのはオークヴィレッジのブランチチェアで、今は2歳の子供がその上に簡易的なチャイルドシートを載せて使っています。粗く使われてもびくともしない頑丈な椅子です。続いてウェグナーのスタッキングチェア(これは古いもの)が妻用、キタニで作ってもらったラーセンのイージーチェアと続き、自分のダイニングチェアは自作のものがしばらく続きました。その後少し徳永順男さんの椅子をダイニング用に使いましたが、テーブルとの高さが少し合わずにまた自作へ戻り、ここ1年ほどウェグナーの PP701 を愛用しています。これは以前からずっと欲しかったこともあり気に入って使っていますし、もう一生変わることがないかもしれません。この間、我が家の椅子は他にも増えましたが、皆暮らしの相棒といった風で楽しく使っています。

長くなりましたが、久しぶりに椅子を作りたいなと最近思うようになりました。