hainara.JPG明日は木と紙と古いもの展の搬入。久々に綾部行きです。
去年の木と石と紙展から1年。たったの1年ですが、その間の気持ちの変化、つまり木工を志した時に据えた原点のようなものへの回帰を自分自身で感じています。

先日、川淵直樹さんと東京往復をご一緒させていただきました。その際に話題になったことで、「なるほど。だから僕はすんなりとものづくりを始めることが出来たのか。」と思った事がありました。表面物理の研究をしていて、突然木工をすると言い出した時(もちろんずっと考えていた事ですが、周りの人にとっては突然です)、いろいろな人にどうしてと尋ねられました。当時の僕は、両方とも結局は自然を相手に取り組むこと。両者に根本的な違いはないと考えていましたので、そのように答えていました。しかし木工を始めてしばらくすると、初めに考えていたことは徐々に忘れ去られ、いつの間にか木という素材が自己の延長のようになってきました。「人間は自然の一部」という考え方を、「自然は自分の一部」のようにいつの間にかすり替えていたようです。

素材を自分以外のものとして認識し、作る。その素材も出来るだけ自分の生活に密着した、気心の知れたものだとお互いに納得できるのではないか。方向が見えたら、ゆっくりとですが歩むのみ。そのように考えるこの頃です。

11月3日から7日まで綾部工業団地交流プラザで開催の木と紙と古いもの展。お天気にも恵まれそうです。ぜひお出掛けください。