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以下、先日の『2と5』の作品について。

2と5と聞いて、はじめに思い浮かべたのは2点間を結ぶ線分と5角形でした。2つの点と5つの点を結んで美しいものが作れないだろうか。しかしこれをかたちにすることには大変な困難を覚えました。すると展示台が25cm角であることに気が付きました。もともと理系だった僕は、展示台も作品に見立てて、52=25という数式を思い浮かべ、直径および高さが5cmの円柱の上に直径および高さが2cmの円柱を浮かんだように見せることにしました。まだ何かできないかと考えて、ふと工房の外に目をやると、今冬に備えて用意している玉切りしたコナラの薪の山がありました。もしかしたらと思い、年輪を数えだすと、樹齢25年の木を見つけました。円柱はこの玉切りしたばかりの生木を使って作り、すぐに木固め塗装をして漆で表面を覆いました。すると25年という歳月の間に木が吸い上げた水分を固定したような、小さいけれど重量感のある2つの円柱が出来上がりました。