07-08-11_10-01.jpg「今回は、北アルパインスタイルでいくから」、「何すか、北アルパインスタイルって?」から始まった今回の山登り。10日夜、Fさんのハイエースが迎えにくる。自転車と荷物を積み込み、Sさん拾って出発!新穂高の駐車場について、早速のみはじめる。後々、「あんまりもってこなくてよかったなぁ」と思うのだが、一番のんでいたFさんには悲劇が襲うことになる。生ハムやら大きいハムなどつまみながら、満天の星の下とても気持ちがよい。以前、剱岳に早月尾根から登ったときにも前日泊だったが、本当におびただしい数の星がパーっと撒き散らされたような空だった。今回も空がそのときより狭いものの同じような状況。人工的光が届かない世界の夜はすばらしい。0:30過ぎに就寝。

3:30起床。まだアルコールが残っているのを感じる。いそいそと準備をし、4:00過ぎに自転車のサドルをまたぎ、林道を登りだすものの・・・きつい。こんなに急だったか?という感じでなかなか進まない。はじめ調子の良かったFさんは、途中から放心状態にあるような顔をしながらこいでいる。結局、一人で歩いた時よりもかなり時間をかけて右俣林道をクリア。白出小屋へ。

自転車を置き、登りはじめること3分。Fさん「もうだめだ。先にいって」・・??どうやらアルコールと変な朝ごはんで調子が悪いらしい。目標地点はかなり遠いため、先に行くことにする。それにしてもかなり体調が悪そうだ。どこまでいけるか心配だ。途中白出沢に出る前の森の中で、「ガサッガサッ」と音がすると思ったら、カモシカが登山道へ向かって走ってきた。驚いて「ウワァ!」と叫ぶと方向を変えて颯爽と走り去った。徒渉地点では、なぜか橋がなくなっていた。しかも雪がすごく残っている。今まで聞き伝えでいろんな人に「今年は里では雪が大変少なかったけれど、冬型が弱かったせいで雪が吹き飛ばされず、山にはたくさん雪があるらしい」というのを実感する。道もかなり悪くなっており、白出沢の特徴であるガレ石(岩か)の配置もかなり変わっているし、崩れそうなところも多数あり。そんな中、思ったよりも体が動かないことを確認しつつ、どんどんと標高を稼ぐ。遠く白山までくっきりと良く見える。穂高岳山荘直前で、太陽が登山道を照らす・・・暑い。帽子とサングラスを持ってきてよかった。結局穂高岳山荘まで5時間くらいかかってしまう。これが示唆するのは、アルコールが残っていて体調があまりよくなかったことと、体力の低下だろう。9:30過ぎに奥穂高岳山頂到着。いつ見てもジャンダルムはかっこいい。なかなか機会がないが、近く奥穂-西穂間を縦走したい。どうせもう一度登頂するから、ということで足早に吊尾根を下る。ここからは初めての道だけれど、想像していた吊尾根の登山道とはかけ離れており、最初から鎖場の連続。やはり穂高らしく岩の連続。これでもかというくらいにずっと下る。ほとんどコースタイムくらいかかって紀美子平に到着。前穂への登りをみると、いきなりクライミング系。荷物をデポして、一気に登り、前穂高岳登頂。こちらから見る穂高連峰はカタチがよく分かってとてもきれい。明神もすぐ近く。南岳から穂高岳山荘への距離も良く分かる。やっと時間的余裕も出来て、後半戦へ。

07-08-11_12-48.jpg戻り始めると、Sさん一度登山道を間違える。すると上から「おーい」の声。奇跡のFさんだ。復活したらしい。しかし、ちょうど間違えたところですれ違ったところが危なかった。下手したら知らずにすれ違っていたはず。ここまできたら、前穂登ってくるということで、Fさんとても元気そうに歩いていく。きついだろうと思っていた奥穂への登りは、結構あっさりと。奥穂近くの登山道でライチョウの親子に遭遇。全然逃げない。こんなに近くで見たのは初めてだったが、かわいいかわいい。気分よく再び奥穂山頂へ。しばらく休んで、穂高岳山荘へ下る。ホットカルピスをのんでまったり気分で横になる。気持ちがいい。予想より早くFさんも合流し、あとは地獄の白出下り。特に書きたいと思わないとにかくきつい下り。最後の森の中へ入り、どんどん進んでいると、「うぉお!」今度は登山道の真ん中にカモシカが待っていた。目が合う。これまでの経験上、カモシカは目があうとしばらく動かなくなるが、今回もそう。1頭と3人は向かい合ったまま、なかなかステキな時間を過ごす。

白出小屋に到着。ここからが北アルパインスタイルの見せ所。マウンテンバイクにまたがり猛スピードで下る。しかし僕のだけブレーキの効きが悪く、カーブが恐い。あっという間に駐車場に到着。その後一旦帰宅し、皆で焼肉を食べに行く。ボロ雑巾のような肉体にビールと肉が吸収され、3人とも元気になり、24時間の遊びは完結した。